2016年10月の読書 感想まとめ

ただいま読書週間真っ最中!
10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)

2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2861ページ

レクイエム (文春文庫)レクイエム (文春文庫)感想
図書館本 篠田ファンです 面白かった!「 コンクリートの巣 」:なんか「家鳴り」の奥さんと、ヤバいお母さんがイメージダブる。主人公は結末のあともあの子と関係を持ち続けたりしないだろうなと心配になったり。「レクイエム」とラテン語で書くとイメージが作品の中身と随分違ってくる。音楽ものかと思いきや!水木茂さんの近くの島にいたわけだ。水木さんが猿を食わずに済んだのは本当に僥倖というべきでしょう。戦争中、日本人の兵隊たちにとって中国人は敵、朝鮮人は奴隷、東南アジア人は動物という意識しかなかったようですから。
読了日:10月2日 著者:篠田節子


ブランコのむこうで (新潮文庫)
ブランコのむこうで (新潮文庫)感想
自本 いつ買ったか忘れた 星さんのファンなので 大体こういうお話は展開が予想ついちゃうものですがさすが神様。結構、大人が読んじゃう文章です。星さんの「ほら男爵」よりも更に判り易く「人間とは」が嫌味なくちりばめられてる。皇帝陛下のお抱えの学者の言葉は物凄い。出来れば「ほら男爵」のようにイラストを章ごとに入れて欲しかったなぁ。更に出来れば「和田さん」で。
読了日:10月10日 著者:星新一


土の中からでてきたよ
土の中からでてきたよ感想
図書館本 子供向け 「美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―」で縄文の造形についていろいろ疑問が出て来たので、まずは一杯出て来たものを見たかった。少しわかったのは「流行はある」「動物は精一杯写実的」という点。耳に巨大なピアスして髪を結い上げてる人物像も作った当人には相当写実的だったのだろうなと思う。どことなくニューギニア高地民が頭に浮かんだが、鼻に長い骨の飾りを通してはいなかったみたい。男も女も顔中に入れ墨してたのは間違いないように感じました。
読了日:10月10日 著者:小川忠博


縄文美術館
縄文美術館感想
図書館本 「土の中からでてきたよ」と一緒に借りたら、つい最近見た写真がいくつも。よく見たらなんだ同じ出版社同じ写真家。使い回しだ。とはいえしっかり読んだ。縄文って凄いでしょという本なので、イメージ先行の編集。地域(せめて想像できる当時の地域区分で)と時代(せめて縄文前中後期くらいの区分で)で出土品の画像を分類して欲しかった。その時代は気候的にどうだったとかも。土偶を作ってるとき、実際の対象と目の前で出来て行く「作品」とを見る自分の目に大きな違いが生まれ、結果それが流行したのはどういう環境でなのかな?
読了日:10月10日 著者:小川忠博


ル・パスタン (文春文庫)
ル・パスタン (文春文庫)感想
自本 というか20年近く前に妻の上司である編集長さんからいただいた。自分では買わない作家さんです。この編集長が私の結構な師でもありました。中に出てくる映画が気になるものばかり。「ラルジャン」「ジュリオの当惑」「ギャルソン」「サイレント・ボイス」「ロビンソナーダ」「黒い瞳」「スイート・スイート・ビレッジ」・・・どうしよう。言葉では「人は、独りでコーヒー店へ行き、一杯のコーヒーをのむ時間を一日のうちにもたねばならない」「これほどまずくコーヒーを淹れるのも、なかなか難しいと思う」。世間の賢人の言葉たちが素敵。
読了日:10月16日 著者:池波正太郎


「ない仕事」の作り方
「ない仕事」の作り方感想
図書館本 書架から 初三浦。タモリ倶楽部では知ってました。面白かった。そうか、コレクターじゃないんだ、この人。熟成させて作り出す人なんだ。フィギュ和、テングー、AMA、いやげ物、とんまつり、らくがお、D.T.・・・考えて出てくる名前が凄い。「何かやるときの主語は、あくまで『私が』ではありません」。ボブ・ディランでもう一発かまして欲しいよ!!
読了日:10月16日 著者:みうらじゅん


21世紀の不平等
21世紀の不平等感想
図書館本 物凄く苦労した。且つ確実に全く理解できてない。投資したが収益がゼロという状態。この本、どういう人向け?少なくとも経済学をすでに学んでいて頻繁に出る専門用語に慣れていないと無理じゃない?例えば「シェア」という言葉はSNSで慣れてきてるけど「利潤シェア」って具体的なイメージが頭に浮かばない。クラウディングアウト?エクィティ?2010年頃の児童貧困率でアメリカはギリシャ、ロシアよりもひどいとか。図はまあ分る。でも、それってギリシャが嘘ついててみんな騙されてた頃のデータじゃない?「?」が一杯の本でした。
読了日:10月16日 著者:アンソニー・B・アトキンソン


総員玉砕せよ! (講談社文庫)
総員玉砕せよ! (講談社文庫)感想
他市図書館からのお取寄せ 水木ファンゆえ。我が市では今の(青年)漫画単行本は定期購入してるがこういうのは全くない。そういう文化なんです。この本は水木さんによると90%事実とのこと。その辺のことは後書き参照。戦争に突き進んでいった「かっこいい若手将校」というのが一番戦争責任を負うべきだなって思う。水木さんのいたところの大隊長も自己満足(誇り高く死ぬ)のために、死にたくない大勢の兵隊を無駄死にさせちまった。偶然生き残った者も「玉砕だから絶対死ね」と言われる。こういうこと云う奴らは後ろから撃つべきだと思う。
読了日:10月18日 著者:水木しげる


怪しの世界
怪しの世界感想
他市図書館からお取寄せ 映画観に行った帰りに浜松図書館に入り書架で見つけ、後日借りた。大掘出物!書名からは内容が全く分からない。古典芸能の第一人者に現代作家の作品を演じてもらう。その台本と事後の対談。橋本治vs薩摩琵琶は激烈!「西洋の古典音楽は音に音を重ねて表現。日本では墨絵のように音の中に音を求める」「自分の感情を言うのが舞台上の人間がするべきこと、は大間違い」。いとうせいこうvs野村萬斎「装束を付けたら覚悟を決めるので、舞台でない楽屋での待機でも余計な動きを全部止める」。前書き「雅楽は風景」!そうか!
読了日:10月18日 著者:橋本治,いとうせいこう,夢枕獏


交錯する文明―東地中海の真珠キプロス
交錯する文明―東地中海の真珠キプロス感想
図書館本 篠田シリーズ 好きだから 1998年キプロス取材旅行の紀行文というか随想というか。ミーハーですが著者の写真が何枚か載っていてちょっと嬉しい(20年前だよな)。普通の「旅のガイドブック」では書かれることはない「分断」「異民族」「宗教」といった視点での文章がそこかしこに顔を出す。この人凄い。「インコは」は2年前くらいに読了。お話の舞台に男女関係がついて行けず振り回されたな、という感想でしたが、なるほどこの現実が勝ったのかと。こうして見るとTVの紀行もので旅人に語らせると底が浅くなるのは無理ないな。
読了日:10月26日 著者:篠田節子,鴨志田孝一


文庫 遺伝子の川 (草思社文庫)
文庫 遺伝子の川 (草思社文庫)感想
図書館本 ドーキンスシリーズで 他の著書で何度か読んだテーマも、手を変えて登場させ「どうしても理解させる」という著者の気持ちが伝わってくる。特に宗教者の似非科学の断固排除を目指した言葉が多いがそうあるべきと思う。第2章開始間もなく「イギリスとアメリカの違いでイギリスでは宗教教育は必須カリキュラムだがアメリカでは互いに相いれない激しい宗教のいずれかを傷つけるのを恐れて宗教教育を禁じている」と書いている。この本の出版は95年。なんと短期間でアメリカは一方の宗教を根絶やしにしかねない思想を持ったものか。
読了日:10月28日 著者:リチャードドーキンス


危険な世界史
危険な世界史感想
再読だった。かなり進んで「ん?」。ほぼ記憶から消えとるわ。ということで初めて読む本の如く興味一杯で読了。今回は、ギロチンの死刑執行人の話が面白かった。政府に雇われてはいるけど、ギロチン一式は個人所有なんだね!使わないときはバラシてどっかに保管してるんだろうな。他人は倉庫貸してくれないだろうな。搬送・設置・操作・撤収・メンテ全部家族とせいぜい一人か二人の臨時雇いで回してたんだろうな。本人はクビ刎ねられる人を縛った紐の先持って馬車で引き回しに同道してたから設置は家族・雇人がやってたんだろうな。作動確認なし?
読了日:10月30日 著者:中野京子

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