1月の読書感想

1月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:3175
ナイス数:202



土に贖う (集英社文庫)
土に贖う (集英社文庫)感想
図書館本 友人から教わった著者 短編集だけに展開が早く、エピソードが明確で私の好きなテンポ感。ただ、時代背景(特に雇い主の)にやや日共的一方向な捉え方を感じる。その意味で表題作は幅が広い。アホウドリの雇い主は最初から捨てるつもりだったんだろうな。経費が減るもん。養蚕がされてたとは道産子乍ら知らんかった。蹄鉄屋は子供の頃の苫小牧で近所にあった。佇まいはまさしく。温む骨の主人公はそれで佳いのです。手と目と脳みそが境界を越えて昇れたのだから。
読了日:01月02日 著者:河﨑 秋子


別冊太陽 陰陽の世界
別冊太陽 陰陽の世界感想
図書館本 2003年 野村萬斎や夢枕とは無関係でデカい神社以外の神楽や祭り好き。ダビデの星、ソロモンの星と言う名前とは無関係に「この形」が気になったのかなあ、ご先祖様たちは。どうやって見つけた形なんだろう?おんだ祭の写真の説明と、写ってる物が微妙に違う。鍬じゃない鋤だぞ。道満さんって八百比丘尼のお父さんだった!?しかも亀の背に乗って!弁天さんはナマズに乗ってるし!
読了日:01月04日 著者: 別冊太陽編集部 編


江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫)
江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫)感想
図書館閉架本 2000年出版 素晴らしい本に巡り会えて嬉しい!赤瀬川さんのに初めて出会った時のような興奮状態。日本画だけでなく同時代の(200年間)西欧、中国の絵も対象。虹橋の船は着岸に失敗して船尾が押し流されそうなのでは?姑蘇は安野さんの色調のようで旅人君を探したくなる。日本人は金唐革大好きでタイ・ベトナムでは上得意。「春画は男女とも必ず参加する性交の祭り」「そのため多くの春画に隠微さが欠けている」これ凄い見方!!衣服の柄に風景を入れるのは日本だけ!?縞と言う文字はストライプを意味せず元は島!?
読了日:01月05日 著者:田中 優子


ねこは るすばん
ねこは るすばん感想
図書館本 NHK見て、だったっけ?いや絵本借りてよかった~ そうか猫ってこうだったのか!飼い主(猫にとっちゃあヒモ?)がいる時といないときじゃあ表情そんなに変わる!?もう、つぶらな瞳にゃあ騙されねえぞ。床屋最高!本好きって、それかいっ!パンダの銭湯は以前紹介されたが猫銭湯もあるのか。ぐにゃぐにゃだな、おい。この作者、他のも借りよう!
読了日:01月06日 著者:町田 尚子


ぶたくんと100ぴきのおおかみ
ぶたくんと100ぴきのおおかみ感想
図書館本 別冊太陽で知って 100匹の狼が待ち伏せてるのも凄いが、1匹のブタを追いかける迫力に感動!!「だっだっだっだっ」「どどどどどどど」こりゃすごい!!というか、このシーンを別冊太陽で見て借りる気になったのです。結末は言えないけど、オオカミが頭悪くて気の毒になったなあ。ラストシーンの寂しさったらないわ。
読了日:01月07日 著者:宮西達也


輝ける闇 (新潮文庫)
輝ける闇 (新潮文庫)感想
図書館本 書架で偶然 著者の小説を通して1冊読んだの初めて 釣・食・旅のドキュメントは凄く読んだし好きだったが、かつて一度だけ小説読み始めて、汚れ感がきつくて逃げだし以来全然。ベトナムのことは「生物としての静物」のジッポで読んだ。この本も文体は一緒で滑らかだった。ベトコンはタイプライターも持ってった!?「革命は貧しい農民のためにやることだって思っていたけど、農民もやっぱり不幸になるんです。」ベトナム正規軍のキェム大佐は日本の出世・銭儲け大好き上司を思わせる。焚きつけるが、金持って真っ先に逃げる。
読了日:01月09日 著者:開高 健


憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】)
憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】)感想
図書館本 栞紐が恐らく売られた時のままでカチカチになって原形を保ってた。それにしてはどこかのバカ者が栞代わりに鉛筆で鍵カッコをいくつも書き込んでる。そう言う町だ。で、憑き物のこと。牛蒡は護法のこととか。狐,蛇は分かる。荼枳尼天、弁財天の使いだから。犬は山犬、狼で「強い山神」。でも、狢、狸という弱っちぃ連中がなぜ憑き物になれたのか分からない。一言も触れてない。明治時代の薬の宣伝「精神病一切の発明特効新薬 狂人の親戚一回用いば必ず云々」凄いねー!
読了日:01月12日 著者:


見世物はおもしろい (別冊太陽―日本のこころ)
見世物はおもしろい (別冊太陽―日本のこころ)感想
図書館本 書名で借りたが面白かった。江戸時代の籠細工って東北の人形ねぶたのルーツか、その逆か、どっちにせよ関係あるのでは?明治大正日本には凱旋門一杯あったんだねえ、張りぼても含めて。人間乗せる気球に注入する水素ガスが木の樽から送られてる!?そういや、幼い頃、工業町のおまつりに鉄の巨大かごの内側をグルグル走るオートバイの曲乗りや蛇女とか掛け小屋サーカスが必ず来てたなあ。菊人形展も多かったけど、何がいいのか分からんかったよ。
読了日:01月13日 著者:


和菓子風土記 (別冊太陽―日本のこころ)
和菓子風土記 (別冊太陽―日本のこころ)感想
図書館閉架本シリーズ 最近とみに和菓子好き 買ってみたいのは「初ナスビ」「のんこう」「さなづら」「玉だれ」「葛餅」「糊こぼし」「和三盆糖」「ケンビ」「鶏卵素麺」。葛餅は近い場所なんだし、行かなきゃね。名古屋「二人静」は出ていてほしかったなあ。
読了日:01月15日 著者:


世界の美しいボタン
世界の美しいボタン感想
図書館 陳列本 展示されてたのを立ち読みしたらすごく綺麗だったので借りちゃった。著者フランス人で、細かい事NGらしく、大きさが書いてあるのは1点p128のみ。コート用でもφ50mmってバカでかい!S字形ボタンって使い難そう。いいなと思ったのはチェコの木製。絵が素人だが可愛い!欲しいのはレジンに編んだ木を埋め込んだやつp102。薩摩焼で作った輸出用の薩摩ボタンって初めて知った!ボタン内に方位磁石仕込んだりって男の子が喜ぶよなあ。いやあ、眼福眼福!しかし大きさを書いてくれた方が細工の見事さにのけぞったと思う。
読了日:01月15日 著者:


ネコヅメのよる
ネコヅメのよる感想
図書館本 ネコの留守番からちょっと著者のファンになりつつある。ネコは天気やら月の満ち欠けに敏感なんだろうなあ。好きな猫は、みんなが集まってる図の左ページ上にいる太ったトラ。おっちゃんだよね。ニャーって鳴かないぞきっと。「ああん?」とか言う。 
読了日:01月16日 著者:町田 尚子


ことわざバトル/ライバルともだち パートナーズ
ことわざバトル/ライバルともだち パートナーズ感想
図書館閉架本 和田さん好き このペアは他のも読んだ。柔かいおっとりした感じを受ける絵。1.確かに買いに行ってるわ 2.このカバ、バカなんだな 3.豚はパンツが欲しかった? 4.エビで釣ろうとしてるのは鹿児島の郷土玩具鯛車ですな 
読了日:01月16日 著者:安西 水丸,和田 誠


きつね森の山男
きつね森の山男感想
図書館本 著者のファン なにせバット君やら山から来たカッパ読んで大きくなりましたから。楽しいお話し。あくまで穏やかな絵!今風の顔した登場人物は一人もいない。やたらにうるさい擬音もない。山男は大根が常食なのねえ。風呂吹き大根で酒飲むの素晴らしい。実は私もこないだ自作で風呂吹き作って、酒飲みました!山男に「ゆずの皮を少し味噌に入れると素敵な香りだよ」と、教えてあげたい!そして一緒に飲みたい!
読了日:01月19日 著者:馬場 のぼる


絞め殺しの樹
絞め殺しの樹感想
図書館本 出演者多くて覚えきれないわ― 名前と初登場頁の一覧表つけて欲しい。結局絞め殺しの木は誰のことかというと私はミサエと息子だと思ったけど違う?善かれ悪しかれそこで生きてる木に憑りついて、自由勝手な成長を止めさせ、悪いところを露出・増幅させ自滅させるという意味で。いささか読んでて疲れました。
読了日:01月21日 著者:河崎 秋子


おひなさまの平安生活えほん
おひなさまの平安生活えほん感想
図書館本 読書の森で著者を知り 児童向けなのにまったく傷みがない。子供が一人で読めないと判断した親が多いのか?確かに「しばわんこシリーズ」みたいに中学生以上の知恵がないと読めないかも。ならば一般分類にせんかい図書館っ!雛祭りの原形が出来たのは室町の頃!知らんかった。お雛様が召し上がってた料理、油っけがないんだー。私が作ったきんぴらごぼう出したら「珍味!」と喜ばれたかも。牛車の乗り方降り方も解説!こういう本、好きだなあ。
読了日:01月21日 著者:堀川 理万子


別冊太陽 骨董をたのしむ 12 木綿 古裂
別冊太陽 骨董をたのしむ 12 木綿 古裂感想
図書館閉架本 更紗は使いすぎると下品になるなあ、と勝手に思う。p25はその典型。金巾の白い火事半纏凄くカッコいい!佐竹藩士の着てた紺の道中合羽「剛直なお侍さん」を思わせて素敵。型染めの牡丹紋祝暖簾がおっとりしたお家の婚礼を想像させてくれる。鍾馗さんの手描きのお節句幟は一品だけにすごみが違う。鍾馗柄の大量生産手ぬぐいなら持ってますが。P157の刺子長手ぬぐいはモデルさんが良いこともあって秋田の長く厳しい冬、屋根より高い雪を思ってちょっとジーンとなった。工夫してたんだね。掛ける金がないので。

読了日:01月22日 著者:平凡社


海のアトリエ
海のアトリエ感想
図書館本「NHK趣味どきっ 読書の森へ」で知った絵本作家・画家の著書2冊目。おばあちゃんが自分の子供時代のことを話す形。おばあちゃんは不登校だった。そして・・・。海のアトリエの画家さんが、きっと著者が習ってた絵の先生みたいな人だったのだろうな。子供を子ども扱いしないって。絵本の中の画家さんは子供のおばあちゃんに生き方を気付かせたと同じく自分もその子から気付かされたことがいろいろあったに違いない。佳い本です!
読了日:01月24日 著者:堀川理万子


湯葉・青磁砧 (講談社文芸文庫)
湯葉・青磁砧 (講談社文芸文庫)感想
図書館本 初読みの著者 30年前に逝去され、生きてたら100歳。にも拘らず、瑞々しい文章!三篇収録だが何れも女性達が元気。漫画的元気でなく現実味がある。男性陣はしょうもないのが二人。青磁砧のお父さんは著者の理想とする男性像なのでは?このお父さんの焼物を購入する姿勢に共感。自分の目と感動を信じ自分の儲け、買い叩きせず購入は作者の仕事に加担することって素晴らしい!最近じゃあまり見ない漢字や読ませ方に多少苦労したがよいペースで読了。恐らく私の新しい鉱脈発見。
読了日:01月27日 著者:芝木 好子


洛中巷談
洛中巷談感想
図書館閉架本 勘違いで借りたが読んだら非常に面白かった。一人がまず主題を語り、その後何人かと意見交換する形式。全部で12回、理数の方、人文、科学史、文学、染色史などなどの専門家たち。それぞれの知見に基づいた意見が四方八方から飛んでくる。私が好きな話のきっかけは「半眼」と「祇園祭」ですな。凄い!と思ったのはラストテーマ「ジュラシックパークの生物学」で出た話。「自殺防止協会の会長で頑張ってた人が夫婦で自殺した」「そらあええ話やなあ」「防止ばっかり考えるのはおかしい」 賛成!延命より大事なことじゃ!
読了日:01月31日 著者:河合隼雄

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ちょっと絵本づいております。

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