6月の読書メーター読んだ本の数:11
読んだページ数:3161
ナイス数:72
杏の花 (1977年)の
感想図書館閉架本 芝木さんシリーズ読み あまり書いてないエッセイ集だが、美術や工芸のお話しは私好みの視線。氷水屋の話、特にガラスの玉暖簾が出てる店とは!私も入りたい!棟方志功の釈迦十大弟子などを「文字の稚拙で自由で豪放」と言っておられるのに賛同!堀柳女「瀞」も初めて知ったが、これは素敵だわ―。芝木さんは、死んだ私の母より3つ若い。この方の好みや言葉を聞いてると母を思い出してしまう。本としては後半の紀行文より前半の美術・工芸編がはるかに素敵!
読了日:06月01日 著者:
芝木 好子
鏑木清方: 市井に生きたまなざし (298;298) (別冊太陽 日本のこころ 298)の
感想図書館閉架本 芝木好子「杏の花」で触発され 「鰯」の長屋で簾越しに見えるお勝手、「初冬の花」の静謐、「朝夕安居」昼の風鈴屋、夕の爺さん達、「三遊亭円朝」が好き!どれもお初な絵でした。どうやら私は、おっとりした静けさが好きなようです。(円朝がおっとり?)
読了日:06月03日 著者:
現代の日本画 4 小倉遊亀の
感想図書館閉架本 これも芝木好子おばあちゃまの影響で。これはいい!!知らなかったなあ、こんな素敵な絵。首夏の一心不乱で思わず口がとんがった少女、晴日の木陰の園庭で伸びきった犬、夏の客の、どうやら客を迎える側らしい方の涼し気な姿と、ちょっと高価そうなたばこ入れ。花屑のフワッとした空気とかっちりした鉢に入った水、径の威張ってお嬢ちゃんのあとを守る気満々な犬。薄暮の薄桃色の梅の花。仏様たちはどこか楽し気に「ふむ」と言うお顔付。舞うは舞子が元気!涼も聴くも大好き!特に涼は優しいおばあちゃん先生。持っていたい本だなあ!
読了日:06月03日 著者:
小倉 遊亀
人形に心あり (1956年)の
感想図書館閉架本 この人お初。芝木好子に影響を受けて借りた本シリーズ ふと気づいたんだけど、人形の顔って作者が同じだと特徴が全部一緒になるみたい。川本喜三郎さんの三国志シリーズ人形もそうだった。黄泉比良坂;なんなんだこれはっ!目はイザナミの目!?p68このお人形池波志乃さんに似てる。穏やかー。p80文のつかい なんか可愛い 体型は幼児並みだけど大人なのかな。p83ごきげんななめは人形もさることながら道具立てがいいわぁ。p89ランの舞 男性にも見える。p92 一つかないよ これこれ p106虎落笛 寒いよねぇ
読了日:06月05日 著者:
堀 柳女
カムイ伝講義 (ちくま文庫)の
感想図書館閉架本 カムイ伝は学生時代ガロ読んでたし、サスケも浪人時代からずっと読んでた。白土三平も好きだったが、ビックリしたのはカムイ伝に第2部があり、絵は前半小島剛夕、後半岡本鉄二ということ。三平鉄二兄弟は'21.10.8と12に亡くなっていること。乞胸組織の出自は武士!一揆は祭と同根!?農民はかなり銃を持っていたはずだが一揆に銃は登場しない。江戸時代は兼業時代で、農民らは現金を得られる多くの技能を持っていた。などと言うことが語られてゆく。階級闘争とイコールな内容ではない。
読了日:06月06日 著者:
田中 優子
貝紫幻想 (1982年)の
感想図書館閉架本 著者ファン 貝紫と言う物質は知ってたが、この本の色がそれに似せてあるのかな?この人ほど美しい文体で美とそれを産む職人を描く人はいないなあ。そして話を進めるのが、ちょっと怖い近親の愛。ヒロインの友人の若い男は私も嫌いなタイプの口先ガチャ男。見事な対照。文字がビッシリで読み進むのに苦労した。2巻本の方がいいかも。ひょっとして山里の陶芸家ご夫婦は「砧青磁」のお方かな?貝は1種類ではなく数種類。wikiによると「吉野ヶ里遺跡で発見された古代の布に貝の色素が発見されている」とか。物語よ!続け!
読了日:06月12日 著者:
芝木 好子
世界の朝ごはん-66カ国の伝統メニュー-の
感想図書館本 新刊案内で 順番待ちで1か月以上待ったかな そんなにしっかり読むほどの内容はなかった。作り方も2行くらいで流してる。へえと思ったのはポルトガルのマルメラーダ。見た目まるで羊羹。オカズなのね。スペインは朝飯2回!?朝は甘くした粉ものが各国共通してる。ピザって朝飯には食わないの!?確かにミラノに出張してたとき出なかったなあ。私は今、毎朝角パンにピザソース塗り、スライスした玉ねぎの塩こぶ漬け(自分製)を載せてオリーブオイル垂らした上にピザチーズ載せてトースターで焼いて食べてるんだけどこれ、いけない事?
読了日:06月14日 著者:
私のイラストレーション史の
感想図書館本 偶然みつけた。若乃花物語、小学生頃私も読んだが作者の他の作品知らない。生き残れた漫画家ではないようです。ストーリーに遊びがない伝記ものだったような。カッパの三平の「お爺さんは死んでしまった」の座敷に三平一人の絵は学生の頃出会って感動した記憶あり。和田誠さんは大好きな人で私も倫敦巴里持っていたが、つい半年くらい前にリサイクルコンテナに処分しちまった。断腸の思いだったよ。好みに合う作品に出合うのは幸せだ。高価だ、有名だ、あの人が良いと言った、で価値を決めるのは田舎の金持ち、バカ息子だよ。
読了日:06月16日 著者:
南 伸坊
ガラスの壁の
感想図書館閉架本 芝木好子シリーズ読み この方の文体、採り上げる対象、美を作り出す人達、職人の描き方が好き。今回も美が対象で、男女の心の揺らぎも描かれるが、何より現代美術ってところがお初。「性根の据わった人間はよい仕事をする。一つ旅をしても受け取るものが違う。感性と人間性の問題だ」ひいーーお許しを―。「咲充ちた花はしんしんと燃えているよう」凄い表現。言葉の選び方!「妻と一緒に歌をうたうというのは、そこへ誰も入れないということ」田舎の低能は入って来るけどなあ・・。1週間で読み終えた。
読了日:06月20日 著者:
芝木 好子
江戸商売図絵 (中公文庫)の
感想図書館本 江戸検索で 職人画好き 前書きによると著者が原画を模写したそうだがこの方の絵が実に素敵 表情が大変穏やかで大正解 読んでて疑問を感じたのは夜泣き蕎麦・屋台おでん。当時すでに大八車あったのに引き売りの車付き屋台が存在しない!なぜないのか教えて!武器武具屋は古物を多く扱ったが黒船が来たとき古い槍・鎧が全部売れてしまった!古なった傘を買い集め骨だけになるよう綺麗に洗って骨格を傘屋に納めて張り替える。SDGsだ!寺子屋に入学すると机持参し入学式は赤飯と祝杯!江戸の印影、朱は特別。町人の印影は墨。
読了日:06月25日 著者:
三谷 一馬
つげ義春全集 別巻 ─苦節十年記/旅篭の思い出の
感想図書館本 つげは今までかなり読んでいて「苦節十年記」のみ未読だったのでそこだけ読んだ。貸本マンガを描いてた時期に貸本マンガ家集会に参加してるが参加者には、まだ売れてない水木センセやらさいとう・たかおも参加!そのころ赤目プロがあり、白土三平はすでに自分で絵を描く余裕がなく、シナリオ・ストーリーのみ。カムイ伝の絵は小島剛夕に外注していた!翌年水木サンは爆発的に売れ出し、つげがアシスタントに。まだ安普請の自宅で仕事してたそうな。
読了日:06月27日 著者:
つげ 義春読書メーター